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Special Thanks to
JM3UML for 「15エレメントループアンテナの製作」
JE3HHT for 「アンテナ解析ソフトMMANA」
CQ出版社 「アンテナ・ハンドブック」
1200MHzにQRVしてまだ間がないのだが、思いの外沢山のリピータが存在することを知った。ちょっと離れたリピータでもアクセスできれば、直接は無理な所でもつなげる。そんな思いから適当なアンテナはないかと友人と探していたところ、JM3UML局のサイトに行き当たった。少し低い周波数での送信に耐えるようシミュレーションしたいと思い、JE3HHT局の解析ソフトをダウンロードさせてもらった。
=MEMO= 10年後の記事もご参照ください。 「無線アンテナ、10年ぶりに分解整備」
- 先ず大まかに材料を仕入れる。図面より先に仕入れるのはいくらきっちり図面を描いても対応できる部品がなければ駄目だからだ。
- ブーム用アルミ角パイプ12角 1100mm(4m 808円) 223円
- エレメント用3φ真鍮パイプ @310円 1m x 4本 1240円
- 配線止めのナイロンサドル内径3.3φ(25個入り)1袋 145円
- ステンレスタッピングビス5mmx10mm(6本入り)1袋 126円
- ステンレスタッピングビス5mmx12mm(6本入り)1袋 126円
- ステンレスタッピングビス5mmx16mm(5本入り)3袋 378円
- 反射板用アルミ板0.5mm厚 350円
- 反射板取付用ステンレスL金具50mmx100mm 250円
- PVC(ポリ塩化ビニル)角棒 6mmX12mm 1m 231円
- N型コネクター付き5D2V 約1m 1200円
- 右3枚のシミュレーショングラフは、フロントゲインとFB比、SWR、ビームパターンの周波数特性である。1280MHz辺りに合うようにスケールアップした結果である。果たしてこんな事で良いのかソフトによるシミュレーションも初めてだし、ちょっと自信は持てないが、フロントゲインも14dB以上(最低16.5dBi)、SWRもかなりフラットである。
- この結果を導き出したアンテナ全体のレイアウトが、右下の寸法図である。
微妙なことではあるがラジエータ、リフレクタ、ディレクタはすべて同心上にセットすることにした。
ラジエータ 237.2mm(半径35.8) 約2mm厚の基板上に固定
リフレクタ 248.5mm(半径37.5) ブームに直付け
ディレクタ 212.0mm(半径32.0) 6mm厚のスペーサに乗せる
ラジエータは、最終的には給電部の隙間が必要なため234mmにカットした。 - さて、いよいよ加工に入る。先ず図面のエレメント間隔に従ってナイロンクランプ取付用ビス穴を開ける。先端からクランプの長さ分下がったところを位置決めし、順に15エレメント分マークする。軽くポンチを打ち、2mm位の細い穴を開けてからタッピングビスより細めのサイズ(4mm位)に仕上げる。ただし、この穴の位置はエレメント位置ではなく,クランプの長さ分後ろに下がっているのだが、すべて同条件で取り付けるためエレメント間隔と同じになる。(給電部取付図参照)
- 上記のエレメント寸法表のとおり一番短いのがディレクタ(212mm)13本、次がラジエータ(234mm=約3mm短くした)1本、そしてリフレクタ(248.5mm)1本である。 ペンチのような物ではなく、切り口が扁平しない工具で切る。
- 缶の底のような円形で強度があり、サイズが同じくらいの物を利用してループを作る。片方の手で、缶の底と真鍮棒をプライヤを使ってしっかり固定し、もう一方の手で底の縁に沿わして一気に曲げると結構きれいに曲がる。もちろん専用工具があれば言うことなし。
接合部は隙間がないように調整し半田付けする。(この半田が膨らむためナイロンクランプは3.3mm内径にしてある。)
また、スペーサは6mm厚12mm幅の角棒を20mmに切り、ナイロンクランプがセンターに来るようセットして、5.5φの穴を開ける。 - ラジエータ取付用の部品を作る。その辺に転がっていたガラス基板の切れっ端だが、アルミなどの金属でも給電部をショートささなければ構わない。拡大図で赤い線を引いているのがブームの幅(12mm)で、それを避けてボルトナットがかかれば左右の穴の幅位置は少々違っても大丈夫である。
ただし、真ん中のビス穴と前後関係は同じ位置にしないとエレメント位置がずれるので注意。 - 最後に反射板の加工である。142mmX116mmの横長アルミ板を切り出す。0.5mm厚ならハサミで切れる。さらに、長辺のセンターに幅12mm強(ブームが入る)高さ20mmの切り込みを入れる。
- 反射板とL型金具をブーム上にセットしてみて反射板の位置決め、L金具の固定ビス穴(2カ所)、L金具と反射板の固定ボルト穴を決定して穴開けする。(右写真2枚参照)
- ラジエータ部の調整は、ラジエータのみ外して行った方が良いようである。確かにSWRはかなり高く表示されるが、どの周波数辺りでディップしているかの傾向が分かる。当局の場合、給電部を下に持ってきたためマッチング方法がハンドブックと異なる。どうしようかと考えたのだが何かの文献で読んだことがあるCマッチを採用することにした。つまり、余った5D2Vを適当な長さに切り、給電部同軸と同じ極性で(芯線は芯線、網線は網線どうし)半田付けする。そして、その長さをカット&トライしていくのである。
- 結果、Cマッチケーブルの長さ65mmで、単エレメントとして最高のSWR、また、周波数特性は1265MHz付近でディップしていることが判明。1280付近の設計値より低い理由を考えたとき、右図のようなラジエータの隙間に気がついたのである。
(237.2mmの理論値から234mmにカット・・となる) - 最終的に、ブームのラジエータ基台に取り付けてSWRを測定した結果が下表である。
(青色は15m10D2V接続、屋根上実装後測定2010.8.7)周波数(MHz) 1W送信時 10W送信時 実装10W時 1300 1.05 1.40 1.10 1295 1.20 1.65 1.25 1290 1.30 1.80 1.40 1285 1.00 1.55 1.20 1280 1.05 1.20 1.10 1275 1.00 1.25 1.20 1270 1.05 1.35 1.30 1265 1.35 1.65 1.80
運用感想は又、後日。
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73 JE3HCZ
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