=MEMO= D*SWITCH(Nextion Software Controler)の使い方マニュアル
欧米では、リフレクタのモジュールや、サーバのトークグループに接続(サーバ・クライアント型)して、 D-STAR のみならず DMR、Yaesu System Fusion、Project 25など他の通信モードとも、プログラムによるプロトコル変換に依って、相互乗り入れしています。
ここでは、主にD-STAR の特徴を生かした方法論を掲載してきましたので、相互乗り入れはちょっと横に置いておいて、 D-STAR の大きな特徴たる狭帯域 6.25kHz(10kHzセパレーションで使用可)とコールサイン・ルーティングによるリピータ・ネットワークと、 クライアント・コネクションによるリフレクタ運用を、明確に分けることで相互に悪影響を及ぼさない運用を目指したいと思います。
実は、今回使用する ircDDBGateway にはそのコールサイン・ルーティングとクライアント・コネクションが両方とも備わっています。 そして、そのどちらも同時に使用できる設計になって居り、コールサインルーティング(ircDDB.netやQuadnet)で使用中、リフレクタで呼ばれた場合でも両方にデータが流れる事が無いよう、 しっかりとセパレーションがなされています。
従って、このコールサイン・ルーティングの一つに、JARLシステムを組み込むとircDDBGatewayだけで、リピータアクセスもリフレクタアクセスも可能になるのですが、 日本の運用基準(審査基準)には諸々の制限が有りなかなか難しい事だろうと思います。
そこで、今回コールサインルーティング運用が可能な dmonitor と ircDDBGateway のリフレクタ・コネクションを Nextion で切り替えることによって、 一台の無線機とネットワーク接続用の Raspberry Pi で持ち運び可能な超小型ノードを作成したいと思います。
記事中ではターミナルモードでの運用を例に(クラブコールが無くても使用できる為)していますが、 DVAPやDVMEGA、ノードアダプターをお持ちの方、又はICOM Access Point Modeとすることで、無線機にケーブルを取り付ける事無く運用できます。
最新版dmonitorイメージのmicroSDを作成
- Raspberry Pi OSのサイトへアクセスします。 図の Raspberry Pi Imager をダウンロードして、インストールします。
- 次に、イメージをmicroSDに焼くのですが、以前のようにデフォルトユーザ(Pi)とパスワード(Raspberry)が設定されていません。 そこで、対策としてこの純正イメージライタに、前もって好きなユーザ名、パスワードを指定し、SSHを有効にするかや、WiFiまで設定を登録しておけるようになりました。
- イメージライタの画面上で必要なOSタイプとmicroSDのドライブを選択して [書き込む] をクリックします。 (以上 1.~ 3. 2023.3.2 修正変更)
- 念のために、OSのアップデートを行っておきましょう。
- dmonitorのインストール
- Nextionタッチパネルモニターを使用しない方は、これで終了です。 Raspberry Pi専用モニターを使用していない場合でも、他のWindowsマシンのWEBブラウザー(Edge, Chrome)に、dmonitorの動いているRaspberry PiのIPアドレスを入れれば操作パネルが開きます。 つまり、dmonitorにはWEBサーバとしての機能が付属していると言うことになります。
(歯車アイコン)
セキュリティ向上のためですので、Pi: Raspbarryの組み合わせは避けましょう。
$ sudo apt update && sudo apt upgrade -y $ sudo reboot
準備ができたらdmonitorのドキュメント・サイトからインストールマニュアルの最新版をダウンロードします。
必ずバージョンに合ったマニュアルに従って、インストールを実行してください。
その他の機能を有効にする
これらの機能は、RaspberryPi自体にディスプレイを付けて作業している場合は不要です。後ほどircDDBGatewayとDStartRepeaterの環境設定をする時にグラフィック環境が必要になります。
- *2SSHを有効にする
- VNCを有効にする
- GPIOの⑧番⑩番ピンをTxD、RxDとして使えるようにする
$ sudo systemctl enable sshd $ sudo systemctl restart sshd
Windowsマシンから、コマンドにて設定できるようにします。
ディスプレイが接続されていない場合、この設定が出来ません。 その場合は、イメージを焼いた直後、WindowsのエクスプローラでmicroSDのドライブにアクセスします。 そこは PiOS の/boot フォルダですので注意して次のファイルを作成します。[新規作成]→[テキストドキュメント]として名前を「ssh」(拡張子も無し)とします。内容は空です。 これで、Raspberryを立ち上げた直後からSSHが使用可能です。
*2ディスプレイが無い場合や、WiFiしか使えない機種の場合、 詳しくは ⇨こちら をご覧ください。
$ sudo systemctl restart lightdm.service $ sudo systemctl restart vncserver-x11-serviced.service
Windowsマシンから、グラフィカルにアクセスできるようにします。 (WindowsにRealVNC Viewerなどが必要です。)
「Pi3/Pi Zero WのGPIOでPi-HATと送受信する」を参考にして設定してください。
Nextionディスプレイの準備
- 先ず、GITHUB から からダウンロードしてください。ファイル名末尾に「_e」の付いているのはEnhanced TypeのNX3224K024_011用です。また、「2.4ud」となっているのが上下反転イメージです。
- *3イメージファイルを、適当なmicroSDにコピー(単なるコピーです。焼きません)して、電源の入っていないNextionにセットします。
- 赤のラインをRasberry Piの②ピンに、黒のラインを⑥ピンに挿して5Vを供給すると、イメージがNextionのメモリーに転送されます。 成功したら一旦電源を落としてNextionからmicroSDを外してください。
- *4上記の電源線以外に黄ラインを⑧ピンに、青ラインを⑩ピンに接続して、準備完了です。
*3 「NEXTION EDITOR LTS」をITEADのサイトからダウンロードすると、 HMIファイルを編集したりtftファイルを作成したり出来ます。
*4 詳しくはMMDVMノード用、ネットワークモニター Nextion 2.4 も参考にしてください。
dmonitor専用として使用する場合のD*SWITCHのインストール
-
これも GITHUB からダウンロードします。(厳密にはクローンします。)
- 先ず、クローンするために次のコマンドでgitコマンドをインストールします。
- 次に、gitコマンドを使ってGITHUBからクローンします。
- ダウンロードしたフォルダに入ってインストールコマンドを実行します。
- タッチパネル表示プログラム nextion の設定ファイル nextion.ini を編集します。
$ sudo apt install git
$ git clone https://github.com/ytodo/nextion_icom.git
$ cd nextion_icom $ make install
プログラムファイルや設定ファイルがそれぞれのフォルダーにインストールされます。
nextionプログラム本体 :/usr/local/bin
nextion.ini設定ファイル :/etc/
自動起動ファイル :/etc/systemd/system
また、自動起動ファイルはインストール時に必要な物は有効に、不要な物は無効に設定されます。その詳細な内容については、nextion_icomフォルダー内のMakefileを見てください。
$ sudo nano /etc/nextion.ini
GNU nano 3.2 /etc/nextion.ini
######################################################## # # # dmonitor (Copyright(C) JARL D-STAR Committee )を # # 使用する時純正のWEBではなくNextion Display にて # # コントロールするようにするアプリです。 # # # # 名称: Nextion4dmonitorの環境設定ファイル # # 2021.02.17 # # # ######################################################## # ターミナルモード: 個人コール、アクセスポイントモード: クラブコール ### コールサインが8文字未満の場合、後ろにスペースを付け8文字にしてください。 STATION=JE3HCZ D ---> ご自分のものに置き換えてください。 # 初期接続リピータ(指定しない時は=の後を削除してください。) DEFAULT_RPT=JL3ZBS A # 初期接続リフレクタ(指定しない時は=の後を削除してください。) DEFAULT_REF=REF047 C # グリーン:2016 | イエロー:65504 | オレンジ:64512 ライトグレー:50712 レッド:63488 # Nextion IDE で作成した色番号なら上記以外もOK CLOCK_COLOR=2016 # リピータリスト書き込みタイミング調整(マイクロ秒/デフォルト10msec) ### 当方のテストではPi Zero: 30000 / Pi3: 35000 SLEEPTIME=30000 # デバッグモード(デフォルト:0/有効:1) DEBUG=0 ---> 簡易モード。詳しくログを表示したい時は1を設定してください。 # Nextionの接続ポート(dmonitorイメージ: serial0 / その他 ttyAMA0、ttyUSB0...) PORT=serial0 ---> ターミナルモードの場合serial0ですがDVMEGA等では変わります。 # 優先モード(MAIN:切替え画面 / DMON:D*MONITORと同じ / REF:Nextion_dstarと同じ) MODE=MAIN ---> dmonitor専用として切替えをしない場合は DMON に書き換えます
それぞれの項目にある説明に従って編集してください。初期接続リフレクタの欄は後ほどircDDBGatewayをインストールした時に必要になります。 ここでは切替えのないdmonitor専用として設定しますので、リフレクタが指定されていても無視されます。
dmonitor用設定ファイルの編集
-
dmonitor純正のWEBコントローラから設定済みの場合は、これらの編集作業は不要です。
- 先ず、dmonitor用設定ファイルを確認します。
- dmonitor.confを編集します。
- これでインストールが完了しましたので再起動します。
$ cd /var/www $ ls ConnectCall dmonitor.conf dvmega.conf node.conf rpt_mast.txt buff_hold.txt dvap.conf dvmega.conf.save node.conf.save cgi-bin dvap.conf.save html rig.type
複数ファイルが有りますが .conf と言う拡張子の付いているのが設定ファイルです。今回はターミナルモードとして設定しますので必要なのは dmonitor.conf だけです。
$ sudo nano dmonitor.conf
GNU nano 3.2 dmonitor.conf
ICOM ---> ターミナルモードの場合このままです。 NONE ---> dmonitor純正の液晶表示を使用する時以外はこのままです。 XX0XX ---> nextion.iniの STATION= と合わせます。(JE3HCZ D)
$ sudo reboot
今までのdmonitor専用、D*MONITORとほぼ同じ画面が表示されたら成功です。
=MEMO= D*MONITOR(dmonitor専用Nextionアプリ)として利用する場合は、これで完了です。
ircDDBGatewayとDStarRepeaterのインストールと設定
- ircDDBGatewayとDStarRepeaterをインストールします。
- ircDDBGatewayの設定
- DStarRepeaterの設定
- RemoteControlの設定
- /etc/nextion.iniの編集
最新版 ircDDBGateway と DStarRepeater のインストール (Pi OS) を参照し、「OSの前準備」から続けてください。
ircDDBGateway 初めての設定(2) を参照してください。
DStarRepeater 初めての設定(2) を参照してください。
ircDDBGatewayをインストールすると、remotecontrolとremotecontroldというアプリケーションが /usr/bin にインストールされています。 グラフィックモード(GUI)のTerminalで remotecontrol を立ち上げてリモート環境を設定します。
$ sudo remotecontrol
メインメニューの[Edit]→[Preferences]と選択すると右図のようなダイアログボックスが表示されます。
AddressとPortはデフォルト値ですので変更可能ですが、一台のRaspberryにircDDBGatewayとDStarRepeaterがインストールされている場合は127.0.0.1です。 ポートとパスワードは自由に設定できます。ただし、ポートを変更した場合、ircDDBGatewayの設定も合わす必要が有ります。
保存して再度立ち上げコマンドを入力すると、コールサインの入ったコントロールパネルが表示されます。
上記のコマンドを実行した場合、sudoが指定されているので管理者である/root/下に設定ファイルが置かれます。sudo を指定しないで実行すると/home/USER/下に置かれます。 事情によってどちらが使われても良いように、両方設定して置いた方が良いでしょう。設定ファイルをコピーしても構いません。
$ sudo nano /etc/nextion.ini
GNU nano 3.2 /etc/nextion.ini
:
:
# 優先モード(MAIN:切替え画面 / DMON:D*MONITORと同じ / REF:Nextion_dstarと同じ)
MODE=MAIN ---> MAINになっている事を確認してください。
Nextion用ソフトウェアのアップデート
$ cd nextion_icom $ make update
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J E 3 H C Z / REF047 C / XLX047 B
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