2020年6月3日水曜日

最新版 ircDDBGateway と DStarRepeater のインストール (Pi OS)

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=MEMO= Raspbian は今回のバージョンから Raspberry Pi OS と改名しました。今後文中では Pi OS と略します。
=MEMO= Pi OS Bookworm にアップグレードする場合は、 こちらを参照してください。(2024.2.2)

D-STARで個人用ノードから汎用リピータに至るまで最もポピュラーになった ircDDBGatewayDStarRepeater。 その基本はアイコム社のリピータシステムに於ける dsgwd(D-Star GateWay Daemon)とコントローラ ID-RP2C の構成と何ら変わりは有りません。

つまり、ircDDBGateway がコールサインルーティングのゲートウェイに当たり、コントローラを DStarRepeater が担っています。 無線機を一つ繋げば個人用ノードとなり、送信用、受信用に二つ繋げばリピータになります。

日本ではリピータはJARLの管理ですので、シンプレックス・ノードとしてしか使用できませんが、欧米では自作公開リピータとしても多数利用されています。 そのシンプレックス・ノードと、受信と同時にダウンリンクを持つリピータ(デュープレック)とは、ircDDBGateway の設定値で変更するだけという簡便さです。

又、ircDDBGateway はコールサインルーティング・ネットワークである ircDDB.net のゲートウェイとしてだけでなく、D-STARプロトコルで運営されているリフレクタへの接続もサポートして居り、コールサインルーティング網とリフレクタ網のセパレーション(切り替え、ループ混信の防止)にも優れています。

私は、ircDDBGateway のコールサイン・ルーティングセクションに、JARLプロトコルが追加され、法的な違いや運用基準の違いをソフトで乗り越えて、世界が一つになることを願うものです。
最新版 Pi OS の microSD 作成


Raspberry Pi OS (32-bit) with desktop
=MEMO= Bookwormでも変わりなくインストール出来る事を確認済みです。 2023.11.05 追記
最新版(2023年現在)の PI OS では、セキュリティ上の問題で、デフォルトユーザが削除されています。 従って、従来のように pi : raspberry ではログインできません。
この問題は、Raspberry Pi 純正のイメージライタ(最新版)を導入することによって、 事前にログイン情報、SSHやWIFIの使用情報などをライタに登録しておいて設定するようになっています。
2023.3.2 追記
  1. Raspberrypi.orgのダウンロードページ から 「Raspberry Pi OS (32-bit) with desktop」の ZIP をダウンロードします。余分なソフトウェアの入っていないデスクトップ版で、Lite では設定が出来ない場合が有りこのバージョンとしました。
  2. 解凍してイメージファイル(2020-05-27-raspios-buster-armhf.img=2020.6.2現在)を抽出します。
  3. Win32 Disk Imager などを使用してイメージファイルをmicroSDに焼きます。
  4. そのまま、WindowsマシンにmicroSDカードを指したまま、カードのドライブ(多分F:とかG:)にエクスプローラでアクセスします。 マウスの右ボタンで[新規作成]→[テキスト ドキュメント]を選択、内容は何も書かずファイル名を「ssh(拡張子無し)」として保存します。
    これで、Raspberryを立ち上げた時、SSHが使用可能になっています
OSの前準備


Raspberryに専用ディスプレイ、キーボード等を接続してGUIで作業される方は、Terminalアプリにて以後、SSH同様に作業してください。
  1. 先ず、microSDの全容量が使用されているか確認します。
  2. $ df -h
    

    もし、16GBの物を使用しているのに4GB程しかサイズが無ければ、次のコマンドで拡張してください。

    $ sudo raspi-config
    

    [7 Advanced Options]→[A1 Expand Filesystem]で拡張します。(再起動が必要です)
    又、同様にこのメニューを使って、パスワードを変更するなどセキュリティ対策も施してください。

  3. 次に、OSの更新をします。
  4. $ sudo apt update
    $ sudo apt upgrade -y
    $ sudo reboot
    

  5. ircDDBGatewayとDStarRepeaterに使用するライブラリーをインストール
  6. PiOS 10(Buster)以前
    $ sudo apt -y install wx3.0-headers wx-common libwxgtk3.0-0v5 libwxgtk3.0-dev libwxbase3.0-0v5 libwxbase3.0-dev portaudio19-dev libportaudio2 build-essential libusb-dev libusb-1.0-0 libusb-1.0-0-dev
    

    PiOS 11(Bullseye)から一部ライブラリーのバージョンが変わっています。Bookworm確認済み
    $ sudo apt -y install wx3.0-headers wx-common libwxgtk3.0-gtk3-0v5 libwxgtk3.0-gtk3-dev libwxbase3.0-0v5 libwxbase3.0-dev portaudio19-dev libportaudio2 build-essential libusb-dev libusb-1.0-0 libusb-1.0-0-dev
    
    MMDVMHostをコンパイルする時は libsamplerate-dev も必要です。

  7. GPIOをアプリで使用するために WiringPi が必要です。インストールの詳細はWiring Pi(ワイヤリング・パイ)が必要!!?をご参照ください。

アプリケーションのダウンロードとインストール


今後コマンドの実行ディレクトリーは、USER Loginした直後のホームディレクトリー(/home/USER/)として記述します。[$ cd]の記述はホームに戻ることを意味します。
  1. G4KLX(ジョナサン・ネイラー)のGITHUBから最新版をダウンロード
  2. URLはhttps://github.com/g4klxです。 但し、ダウンロードには gitコマンドを使用します。

    $ git clone https://github.com/g4klx/DStarRepeater.git
    $ git clone https://github.com/g4klx/ircDDBGateway.git
    

    この作業はG4KLXのリポジトリのクローンをRaspberry内に作ります。GITによって管理され、後々作者がアプリの開発を進めた場合にも、 差分が管理されているので、フォルダ内で次のようにするだけで、ソースプログラムのアップデートが出来ます。(コンパイルし直す必要は有ります)

    $ git pull
    

    GITについての詳細は検索にてご参照ください。

  3. それぞれのフォルダ内でコンパイル、インストールします。
  4. $ cd ircDDBGateway
    $ sudo make install
    $ sudo make install -f MakefileGUI
    

    $ cd ../DStarRepeater
    $ sudo make install -f MakefilePi
    $ sudo make install -f MakefileGUIPi
    $ cd
    


    =MEMO= OSにより(PiOSか否か)、又、グラフィカルかテキストかに依ってMakefileが異なるので注意 [-f]でファイルを指定しなければ標準の Makefile が使用されます。

    $ ls /usr/bin/irc* /usr/bin/dstar* /usr/bin/remote*
    /usr/bin/dstarrepeater        /usr/bin/dstarrepeaterd  /usr/bin/ircddbgatewayconfig  /usr/bin/remotecontrol
    /usr/bin/dstarrepeaterconfig  /usr/bin/ircddbgateway   /usr/bin/ircddbgatewayd       /usr/bin/remotecontrold
    
アプリケーション設定の準備


  1. グラフィックモードでの立ち上げ
  2. 専用ディスプレイで使用する場合は、キーボード・マウスを接続して立ち上げれば、即設定に入れますが、ここまでSSHで作業して来て、ディスプレイの無い方は VNC を有効にします。

    $ sudo systemctl start vncserver-x11-serviced.service  
    

    VNCViewer(RealVNC, UltraVNCなど)をインストールしたWindowsマシンなどからグラフィカルにアクセスできるようになります。 運用が開始するまでは、再起動しても VNC が常時使えるようにしたい時、またそれをやめたい時は次のようにします。

    $ sudo systemctl enable vncserver-x11-serviced.service 
    $ sudo systemctl disable vncserver-x11-serviced.service 
    

    又、VNCのサイズを変更したい時は

    $ sudo nano /boot/config.txt
    			:
    # uncomment to force a console size. By default it will be display's size minus
    # overscan.
    #framebuffer_width=1280
    #framebuffer_height=720
    framebuffer_width=1600
    framebuffer_height=1200
    

  3. GPIOのシリアル接続を利用する場合の準備
  4. Pi3/Pi Zero WのGPIOでPi-HATと送受信する」をご参照ください。
この続きは、ircDDBGateway 初めての設定(2)及び DStarRepeater 初めての設定(2)をご参照ください。

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