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長年、D-STAR リピータ・ゲートウェイ用 OS として、愛用されて来た CentOS のサポート期間が終了を迎え、昨年辺りから次期 OS として AlmaLinux への以降が検討され始めました。 2024年に入ってテストサイトも増え、CentOS でのバージョンアップが出来なかった様な PC でもすんなりインストール出来るとの現実も踏まえ、各管理団体へも移行マニュアルを添え通知されました。
そこで新たに手順を書き直しました。
Gateway APP のインストール
(最終更新 2024.08.23)
AlmaLinux のISO イメージを準備
=MEMO= 2024年8月現在 最新バージョンはAlmaLinux OS 9.4 です。
- 上図をクリックしてリンク先から必要なイメージをダウンロードします。
- USB にブートイメージを焼くにはツールが必要です。
ダウンロード をクリックするとイメージリンクのページに移りますので、 完全なイメージが欲しい方は AlmaLinux OS 9.x DVD ISO を選んでください。 ただし、10GBほど有りますのでブルーレイディスク又は USBが必要で約2時間近く掛かります。
手っ取り早く済ませたい方は、AlmaLinux OS 9.x Boot ISO を選択すると、インストール初期の設定が済むとその後の必要ファイルはインターネット経由で取得します。
今回の手順は後者のブートイメージを、一覧の下に有る[ミラーサイトからISOをダウンロード]から取得してみました。(ダウンロードが速い場合が有るので)
この時(右図)表示されているページの URL をメモ帳などでメモって置いてください。 インストール時、必要になります。
私の愛用は Rufus です。 USBドライブを指定して、ISO イメージをアプリの上にドラッグ&ドロップするだけです。
AlmaLinux のインストール
- USB を初期起ち上げドライブに指定して起動します。
- 言語を指定して、[続行 (C)] をクリックします。
- インストールの設定をします。
- 先ず[地域設定]は、先の画面で「日本」「日本語」を選択していればそれが反映されています。
- [ユーザの設定]については、常に管理上 root でしか使用しないと言う場合は[rootパスワード(R)]で次のように設定します。
- [ソフトウェア] では [インストールソース(I)] の設定が必須になります。
- ベース環境
- サーバー(GUI 使用)
又はサーバー - ルータ等のGUIメンテナンスが不要なら
「サーバー」 - その他のソフトウェア
- Linux 向けリモート管理
- SSHによるリモートメンテナンスのため
- [システム] では [インストール先(D)] を指定します。
- 最後に[ネットワークとホスト名(N)]のところで接続済みになっていることを確認してください。 通常DHCPが設定されているネットワークに接続していれば自動的に接続されます。指定のIPアドレスには後ほど設定します。
- いよいよメインメニューの右下に有る[インストールの開始]をクリックします。
現在まで使用していたPCを再利用する場合、USB をスキップしてハードディスクから旧OSが立ち上がってしまう場合があります。その時は BIOS 初期立ち上げメディアの指定を変更するか、メーカーによって違いますが[F9]等のファンクションキーを押してUSBドライブを指定するなど変更してください。
GRUB version 2.06 ┌──────────────────────────────────────┐ │*Install AlmaLinux 9.x │ │ Test this media & install AlmaLinux 9.x │ │ Troubleshooting --> │
通常は、[Test this media & install AlmaLinux 9.x]を選択しメディアチェックをした上でインストールを開始します。 すでに、メディアに問題がないと自信がある場合は、その上の[*Install AlmaLinux 9.x]を選んで[Enter]してください。
root パスワード
完了(D)
完了(D)
システムの管理にはrootアカウントを使用します。rootユーザーのパスワードを入力してください。
rootパスワード(R): ●●●●●●●●
□ rootアカウントをロック
☑ パスワードによるroot SSH ログインを許可 -------> リモートでメンテナンスをするためには必ずチェック
rootパスワード(R): ●●●●●●●●
━━━━━━ ━━━━━━ ━━━━━━ ━━━━━━ --> グリーンになるまでした方が良い確認(C): ●●●●●●●●
□ rootアカウントをロック
☑ パスワードによるroot SSH ログインを許可 -------> リモートでメンテナンスをするためには必ずチェック
-
安全のためには、rootを無効にしたまま[ユーザーの作成(U)]をします。(推奨)
インストールソース
完了(D)
完了(D)
使用するインストールソースを選択してください。
○自動検出したインストールメディア(A):
○ネットワーク上(O):
○自動検出したインストールメディア(A):
デバイス: sda1
ラベル: LABEL=ALMALINUX-9
ラベル: LABEL=ALMALINUX-9
検証する(V)
○ネットワーク上(O):
最寄のミラー▼
ftp.riken.jp/Linux/almalinux/9.4/isos/x86_64
プロキシーの設定(P)...
-
ここまでに必要であったファイルが入っているUSBは選択せずネットワークのURLに、ダウンロードの際メモ帳などにメモって置いたURLを貼り付けます。
画面上の例では「理研」(だと思います)のサーバーを設定しました。(実際これでインストール出来ています。)
勿論、10GBをフルに保存してあるUSBを使用しているときは[自動検出したインストールメディア]を選択します。
次はの設定はどんなサーバーにするのか、[ソフトウェアの選択]です。
候補はたくさんリストアップされていますが、ゲートウェイの最小条件としては次のような組合せで良いと思います。
インストール先
完了(D)
完了(D)
デバイスの選択
インストールするデバイスを選択してください。 なお、めいんめにゅーの「インストールの開始」ボタンをクリックしない限り、インストール処理は開始されません。
ローカル標準ディスク
特殊なディスクおよびネットワークディスク
ストレージの設定
○自動構成(U) ○カスタム(C)
□利用可能な領域を追加する(M)。
暗号化
□データを暗号化する(E)。
インストールするデバイスを選択してください。 なお、めいんめにゅーの「インストールの開始」ボタンをクリックしない限り、インストール処理は開始されません。
ローカル標準ディスク
476.94 GiB
[ディスク画像]
SK hynix XXX YYYYY999
nvne0n1 / 2.3 MiB の空き
[ディスク画像]
SK hynix XXX YYYYY999
nvne0n1 / 2.3 MiB の空き
29.81 GiB
[USB画像]
SanDisk Cruzer Fit
sda / 1 MiB の空き
[USB画像]
SanDisk Cruzer Fit
sda / 1 MiB の空き
[画像]
ディスクの追加(A)...
ディスクの追加(A)...
ストレージの設定
○自動構成(U) ○カスタム(C)
□利用可能な領域を追加する(M)。
暗号化
□データを暗号化する(E)。
-
ここで問題になるのは、ハードディスクやSSDの中にボリュームが存在しないときは上記2ヶ所を選択するだけで良いのですが、
今まで使用していた Windowsマシンまたは既存のゲートウェイPC の場合ボリュームやパーディションが存在します。(図の場合 2.3 MiB の空き)
この場合は、[完了]をクリックすると、注意が表示されそのダイアログの中で「すべてのパーティションを削除」出来ます。 その上で「自動構成」を選択すればお任せ作業となります。
プログレス・バーが進んで行き、画面右下に下記の表示されたらインストールは完了です。
AlmaLinux が正しくインストールされ、利用準備が整いました! 利用開始するにはシステムを再起動してください!
システムの再起動(R)
ゲートウェイサーバとしての準備
-
ログインプロンプトが表示されたら、パスワードを入力して無事 AlmaLinux が立ち上がりました。
例ではインストールの途中で root ではないユーザ(フルネーム:Gateway User / ID:gatewayuser)を作った前提で表示および説明をしていきます。
(必要に応じてrootになれます。又、rootしか作らなかった場合もコマンドで sudo を付けないで実行すれば同じです。)
- 準備作業の最初に折角 GUIモードなので、電源に関する設定をしておきます
- GUIの場合、ネットワーク設定も至極簡単ですので、ここでやってしまいます。
- そのままログイン又は SSH でアクセスして gatewayuser を sudoers の設定に加え sudo 実行時毎回パスワードを必要としないようにします。
- SSH のポートを変更します。
- 本来は危険を増す行為なのでちゃんと穴開けすべきですが、SELINUXとfirewallを解除します。
- ここで一旦 reboot します。
- 先ほどのネットワーク設定をコマンドで行ってみます。(設定済みなら不要)
- 次にグラフィカルモードでの VNC リモート が出来る様にします。
リモートした時に、
スリープやサスペンド
しないように設定します。
画面上の[アクティビティ]で切り変わるメニューアイコン[9つの点のアイコン]から[ギヤアイコンの設定]、さらに[電源]と辿ります。
上の設定は、この例ではUSB LAN インターフェースで繋いだネットワーク(コントローラ側)です。これは、どのリピータも同じ設定です。
IPv4 のみ設定して、IPv6 は無効にします。また、画像では下方に隠れていますがルートは[自動]を OFF にしています。
左の設定は、標準装備のRJ45 有線LAN(ルータ側)の設定です。
こちらも IPv6 は明示的に無効にします。
この作業をコマンドで行う方法は後述します。
このまま、GUI でログインして、端末(Terminal)アプリで作業することも可能ですが、GUI はマシンによっては負担になることも有りますので最終的には、SSH でログインしてルータのブラウザーによるメンテナンスのような GUI を使う場合は、必要に応じて GUIモードを起ち上げる様に設定したいと思います。
今後の作業はすべてターミナルモードで行えますので、ログインプロンプトが出ている状態(一旦ログアウト)で [Ctrl] + [Alt] + [F2 又は F3] を押すとキャラクターベースのモードに切り替わります。 [Ctrl] + [Alt] + [F1] で元のグラフィカルモードに復帰します。
また、この状態ですでに SSH は使用可能です。但し、ウェルノウンポートの 22 ですので後ほど変更します。
$ sudo su # Super User(つまりroot同様)になってみましょう あなたはシステム管理者から通常の講習を受けたはずです。 これは通常、以下の3点に要約されます: #1) 他人のプライバシーを尊重すること。 #2) タイプする前に考えること。 #3) 大いなる力には大いなる責任が伴うこと。 [sudo] gatewayuser のパスワード:******** # _ これでrootと同じです。(ただし現フォルダは/home/gatewayuser のままなので注意) # nano /etc/sudoers # viになれている方は visudo でOK gatewayuser ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL
# nano /etc/ssh/sshd.conf
GNU nano 5.6.1 /etc/ssh/sshd_config
# If you want to change the port on a SELinux system, you have to tell
# SELinux about this change.
# semanage port -a -t ssh_port_t -p tcp #PORTNUMBER
#
Port 22222 # 初期値22から変更する
#AddressFamily any
#ListenAddress 0.0.0.0
#ListenAddress ::
# systemctl disable firewalld.service # nano /etc/selinux/config
GNU nano 5.6.1 /etc/selinux/config
#SELINUX=enforcing # コメントアウトして SELINUX=disabled # Disabled に設定 # SELINUXTYPE= can take one of these three values: # targeted - Targeted processes are protected, # minimum - Modification of targeted policy. Only selected processes are protected. # mls - Multi Level Security protection. SELINUXTYPE=targeted
新しい SSH ポートでの SSHリモートが可能になります。
SSHリモート又は直接、ユーザモード(gatewayuser) でログインします。
# nmcli device # LAN インターフェースのデバイス名確認
# nmcli con add ifname enp0s20f0u11 type ethernet
確認したデバイスを connectionに加えると ethernet-enp0s20f0u11 というコネクション名になります。長すぎて今後扱いにくいので次のようにします。
# nmcli con modify ethernet-enp0s20f0u11 connection.id eno2
標準装備の RJ45 LAN が eno1 だったので合わせました。
=MEMO= 折角名前を変えましたが、これは下記のコマンド設定でのミスを減らすためであって、このコネクション名は D-STAR の設定には使えません。 設定のインターフェース指定に使えるのはあくまで デバイス名 ですので上の例では enp0s20f0u11 を設定します。 ただ、今回の例では eno1 はデバイス名・コネクション名共に eno1 ですので、D-STAR の指定も eno1 です。
# nmcli con modify eno2 ipv4.addresses 172.16.0.20/24 ipv4.gateway 172.16.0.1 # nmcli con modify eno2 ipv4.method manual # nmcli con modify eno2 ipv6.method disable
もし、接続を解除して最初からやり直す場合は
# nmcli con del eno2
eno1 を固定アドレスに変更する必要が有りますが、同様に行います。
# nmcli con modify eno2 ipv4.addresses 10.0.10.22/8 ipv4.gateway 10.0.10.50 ipv4.dns 10.0.10.50 # nmcli connection modify eno1 ipv4.method manual # nmcli con modify eno2 ipv6.method disable
余談ですが、1行目は connection、2行目は con と書いています。どちらも同じ意味で con は短縮形です。因みに c でも使えます。 また、同様に dev は device と同義です。
$ sudo dnf -y install tigervnc-server $ vncpasswd Password: ******** Verify: ******** Would you like to enter a view-only password (y/n)? n A view-only password is not used # 見るだけのパスワードではないと言う意味 $ nano ~/.vnc/config # 新規作成
GNU nano 5.6.1 /home/gatewayuser/.vnc/config
session=gnome
securitytypes=vncauth,tlsvnc
geometry=1024x768 # 800x600 1280x960 1600x1200....
$ sudo nano /etc/tigervnc/vncserver.users
GNU nano 5.6.1 /etc/tigervnc/vncserver.users
# TigerVNC User assignment # # This file assigns users to specific VNC display numbers. # The syntax is= . E.g.: # # :2=andrew # :3=lisa :1=gatewayuser # View windowが :1 つまり ポート:5901(5900+1) :2=root # 同様に 5902 となる
今回は、root には VNC は設定していませんが、root だけにしたい場合は root でログインして同様の .vnc/config ファイルを root のホームに作成してください。
ここまで準備できたら、VNC を自動起動にして確認してみます。
$ sudo systemctl enable --now vncserver@:1 vncserver@:2 $ sudo reboot
rootもgatewayuserも受け付けられるようなコマンドですが、vncserver@:1 (gatewayuser)、vncserver@:2 (root) どちらか一つの指定も出来ます。
サーバがリブートしたら、そのままにして同じネットワーク内に有る別のPCから、ReaVNC Viewer や UltraVNC Viewer などにゲートウェイサーバーの [IP Address:1 ] [gatewayuser] と設定して接続してみてください。
蛇足 通常はSSHで、必要に応じてVNCを使う
- 現状VNCもSSHも使える状態で完成しています。VNCだけ無効にします。 そのためには、SSHでログインするか、GUIのログインプロンプトで [Ctrl] + [Alt] + [F2 or F3] してコンソールにログインします。
- 次にスクリプトを2つ作成します。
- これらを起ち上げ可能コマンドに設定し、コマンドフォルダに移動します。
$ sudo systemctl disable vncserver@:1 vncserver@:2 $ sudo systemctl disable gdm $ sudo reboot
今度はもうGUIのログインプロンプトは表示されません。いきなりコンソールのログイン画面となります。
$ nano vs
GNU nano 5.6.1 vs
sudo systemctl restart gdm sudo systemctl restart vncserver@:1 echo 'VNCが使用可能です。' echo
$ nano vk
GNU nano 5.6.1 vk
sudo systemctl stop vncserver@:1 sudo systemctl stop gdm echo 'VNCを終了しコンソールモードになりました。' echo
先ほど自動起ち上げは無効にしましたので、必要な時サッと起ち上げるコマンドとして vs (Vnc Start) と vk (Vnc Kill) としました。
$ sudo chmod +x vs vk $ sudo mv v* /usr/local/bin
これで、不要なときはGUIも立ち上がらず、CPUに負荷も掛からず節電にもなります。何よりも危険が減ります。
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