昨年(2020年)の年末から今年にかけて、ISSからのSSTV受信や滋賀学園のスクールコンタクト100回記念の大成功を目の当たりにして、衛星も含めた追尾システムに興味を惹かれて居ました。コロナ禍で自粛ムードの中、ARISSスクールコンタクトの情報サイトに手頃な自動追尾装置の案内が掲載されました。
早速発注をし、待っている間にアンテナを製作することにしました。アンテナについては良くfacebookなどで紹介されている、2mが3エレのものが目に止まっていたのですが、へそ曲がりな私は以前から目を付けていたPhilippine Amateur Radio Association (PARA)の4E1EEEデュアルバンドアンテナを選択しました。
固定シャックでの大掛かりな運用が出来ないアマチュアハムでも、手軽に持ち出せて広々とした公園などで、手持ちで運用できるようなものです。また仰角水平ローテータやコンピュータ及びソフトウェアがワンパッケージになっているSARCTRAC Mk2のお陰で、先人が苦労された部分をスルーして容易にシステム化出来るような素晴らしい設計のものでした。
DIYセンターで揃える主な構成部品・部材
アンテナ以外の重要パーツ
部材の加工と組立
144MHzのリフレクタは106mm必要ですが、1mカットの商品しかなかったので、5mmのパイプの中に4mmの430Hz用パイプを少しカシメて叩き込みました。
更に、給電部は真ん中で2つにカットします。2つのクランプで少し間隔をとって取り付けますので、周波数特性が低い方(波長の長い方)へずれると思います。 間隔分(数ミリ)をカットしておくと良いでしょう。
この写真は4mmΦのエレメント(430MHz)のもので小さなビスが使えたのですが、太くなるとビスも大きくなり給電部がくっついてしまいます。 そこで、クランプするときにはんだ付けした銅板をアルミパイプに重ねて(アルミの表面を少し削っておく)共締めにしました。
自動追尾装置を付けず手持ちで運用される方は、後述のSWR測定へ飛ばしてください。ここまでの組み立てでの完成重量は400gで十分手持ち運用できます。
SARCTRACからテスト用基台(木製)とテスト用アーム(プラスティック製)を外し、本体のピボット軸との接合部品を付け替えます。
Lアングルのバランサーの方は、最初からカットせずにアンテナを仮付けして、実際にバランスを取ってから位置決めします。 仰角ピボットに掛かる重量が2kgを超えない程度に、オーバーハングの長さと重さを調整します。私の場合400gのアンテナに対しアングルと重りの総重量は800gでした。
左図は、水道管のキャップのようなものを三脚の先端にビス止めしたものです。この上にピボット受けを取り付けます。
このセンサーの固定を忘れて電源を入れると思わぬ方向へアンテナが振れて壊すので要注意です。
アンテナのSWR調整
=MEMO= 今回のアンテナ調整には、買い求めてから長らく放置状態にあった NanoVNA-H の利用環境を整えるために、 古いネットブックと言われる非力なPCを専用マシンに仕立てました。非力故にLinux Debianベースに Calsat32 と NanoVNA Saver をインストールしており、 結構衛星追尾専用として使えそうです。 興味のある方はご参照ください。 ⇨ 「Calsat32をLinux上で(NanoVNA Saverも)」
ラジエータ・エレメントの調整は、スタブ等を着けることも出来ますが、少しの範囲ならばクランプを緩めて抜き差ししてみると可能です。 短い場合は、左右のエレメント先端に内径に合ったパイプを仮に入れてみるといいでしょう。余分が有ればマッチングを取った長さに作り変えます。
やっとNanoVNAの出番が回って来ました。ついでに各ソフトウェアやファームウェアもバージョンアップしました。上図は144MHz帯の例ですが1.2付近までは落ちているようです。 少しエレメントを長くすれば、もう少しは落ちると思われます。 下図の430Hz帯の方は、これ以上望まないほうが良さそうです。
さていよいよ運用に入りますが、何せ新参者なので最初は、色んな衛星を迷惑を掛けないようにワッチしてみたいと思います。 最近は、大学や研究機関がキューブサット(10センチ角を基本とする)衛星を打ち上げたり、ISSから放出したりしていて、中には信号受信に協力依頼をされているところも有ります。 とても楽しみです。
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J E 3 H C Z / REF047 C / XLX047 B
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