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これまでシリーズ①②とハードウェアの製作、ファームウェアのインストールと続いてきました。主にここまでは自作派向けの内容になっています。 今回、最下段にご紹介したように大きなグレードアップが有りました。
今まで特別なツール(Microchip社の開発アプリ)を使ってファームウェアをアップデートしていましたが、 SAAPのWEBコントロールパネルから[ファイルを選択]し、[アップデート]ボタンをクリックするだけになりました。
右図のように、SAAPとはFM無線機、ノードアダプタV7、SAAPコントローラの総称と言えるでしょう。 本シリーズは主にSAAPコントローラとPCによるセッティングについてご紹介するものです。
海外に接続する(国内リフレクタも含む)場合、「My Calsign」はUS Trust Serverに登録されている必要が有ります。 そのためには、国内においてゲートウェイ越えで交信を成立させて(自動応答でOK)、一日程度待った上で設定してください。 これは、JARLサーバーがゲート越え交信リストをUSとの同期用に使用しているためです。
自動応答(例:JK3ZNB F)などでもOKです。なおこの方法での有効期限は3ヶ月のようです。繋がらなくなったら(RO:レシーブオンリー送信不可)まずチェックしてみよう (2012/08/20追記)
=MEMO=
近い将来ノードアダプターV7同様、部品実装ファームウェアインストール済みキットとなった際にはここからスタートとなる。
残念ながらSDカードまで添付する必要まで生じるのでインストール済みは無理のようである。下記ブルーの手順を追加
1234567890123(桁数)
-------------
xx9xyz Allow xx9xyz のみ送信可
xx9xyz BAllow xx9xyz B のみ送信可
xx9xyz* Allow xx9xyz のA,B,C・・・OK
xx9xyz* Deny xx9xyzはすべて拒否
* Deny 何も受け付けない
* Allow すべて許可する
-------------
xx9xyz Allow xx9xyz のみ送信可
xx9xyz BAllow xx9xyz B のみ送信可
xx9xyz* Allow xx9xyz のA,B,C・・・OK
xx9xyz* Deny xx9xyzはすべて拒否
* Deny 何も受け付けない
* Allow すべて許可する
前回「インストール編」で安田OMのサイトD-STAR Stand Alone Access Point(SAAP) からダウンロードした「Audio and Access control file」を使用する。
まず、CALLSIGN.TXT(解凍時、拡張子(.txt)は小文字だが大文字に変更しておく)の内容をメモ帳などで編集する。 一定の法則があり桁数は1~8桁がコールサインと付属するアスタリスク(*)、9~13桁が「Allow:許可」「Deny:拒否」である。 「xx9xyz Allow」だとこのコールサイン(エクステンションなし)のみ送信可能にし、「xx9xyz* Allow」だと[xx9xyz A]や[xx9xyz B]などエクステンションに何がついても通す。
また、アスタリスク(*)のみはその上位にコマンドがある場合、それがどれも実行されないときに実行される。
=MEMO=
これも、RC版(完成一歩手前)あたりではWEBコントロールパネル内で設定可能になるかもしれない。 SAAP V00.22(以後β2)では、このファイルがない場合、[Auth Callsign]に合致すれば送信可能となった。
- 上述の、「コントロールファイル」に加えて「Firmware+Bootloader (00.24F+bootloader)」をダウンロードする。
- 「pic32mx.hex」というファイル名でダウンロードされるので、「IMAGE.HEX」とすべて大文字でリネームする。
- これを、「コントロールファイル」とともにmicroSDカードにコピーする。 (microSDはそれほど大きな容量を必要とはしません。私は古い携帯に入っていた256MBを使っています。)
- さて、最後にこれを、Firmwareとして焼き込む手順ですが、microSDをセットしたら、図のように[SW3]を長押ししながら、[PIC32MX Reset]ボタンでリセットします。 [LED3]が極めて速く点滅した後ゆっくり点滅し、自動的に起動する。(もし自動起動しなければ、リセットボタンで再起動してみる)
また、2台目以降の方は、microSDの内容をすべてコピーすれば、設定も済んでしまうので便利です。
=MEMO=
この方法だと、Microchip社のIDEも必要とせず、今後はWEBから「Node.hex」だけをアップデートすれば良く、LANに繋がってさえいればUSBケーブルも必要ありません。(2012/09/15追記)
=MEMO=
2012年9月以降、SAAPバージョン2(ファームウェアV00.32J以降)無線LANの採用(XBee)に伴い、SAAP自体がDNSの機能とDHCPサーバーの機能を搭載しています。下記「WEBコントロール・パネル(Overview)」のIPアドレスに加えDNS名として「http://dsquare_saap」と入力するとIPアドレスが不明でもWEBコントローラにアクセスできます。ただ、DHCPサーバの方は、ルータのDHCPと競合してPCなどDHCPクライアントのデフォルトゲートウェイを書き替えてしまい、インターネット通信ができなくなることがあります。そのときは、図のように[DHCP Server On/Off]のチェックを外してください。(急ぐ場合はSAAPの電源を切る)また、XBee未取り付けの場合は、[WiFi(XBee)On/Off]も念のためチェックを外して(規定値)ください。この設定画面については下記「Network Configuration」を参照してください。(2012/10/01追記)
=MEMO=
上記のように設定の競合やループに陥りどんなリセット操作も,現象からの離脱に至らないときは,次のハードリセットを行ってください。 結果はそれほど深刻な状態にはなりません。[Node Callsign]と[Auth Callsign]の設定を再入力してリブートで他の設定はほとんどクリアされません。
New IP Address
192.168.1.10
マザーボードからmicroSDカードを取り外し(または、新たに準備したものを)、パソコンでフォーマットした上で、 準備したフォルダ「audio」とファイル「CALLSIGN.TXT」をコピーする。(SAAP β2は「audio」のみでOK)
Please Set
Auth. Callsign
左上図(液晶1)は、設定をせずにとりあえず電源投入すると、いくつか液晶画面に表示されるメッセージの最後の部分であるが、
今回初期の設定編集が完了しているため、コールサインの入力を促すメッセージが表示される。液晶表示されたIPアドレス(192.168.1.10)をパソコンのブラウザー・アドレスバーに入力して[Enter]すると、左図のようなWEBコントロール・パネルが表示される。 一番上の[Node Callsign]が設定されていないのが分かる。
もし、IPアドレス表示が通り過ぎてしまった場合はPIC32上の赤、黄、緑と並んでいる緑LEDのところにある[SW3]を押すと、IPアドレスが表示される。
また、何か失敗してもう一度最初からやりたい場合は、赤のLEDのところの[SW1]を長押しするとハードリセット(初期化)する。 (又は、SW1を押しながら電源投入)
SAAPの液晶表示にしたがって、WEBコントロール・パネルの[Gateway Auth Callsign](左ペインのメニュー)をクリックすると、 左のように認証ダイアログが表示される。
初期値ユーザー名:admin、パスワード:microchip
メニューの[User ID & Password Setting]で変更できる。変更するとすぐ同様に認証ダイアログが表示されるので、新しく決めたID、パスワードを入力する。 このパスワードは、ハードリセット[SW1]すると初期値に戻る。 表示された空白の設定画面の[Node Callsign]に本ページはじめに赤文字で記した、US Trustで認証可能なコールサインを入力する。 [Auth Callsign]はG2+DPlusのリピーターやリフレクターのダッシュボード(アクセス者リストや履歴が閲覧できるWEBページ)に表示される。
[PIN]は入力不要である。
入力が完了したら[Save Auth Call & PIN]をクリックすると、SAAPがいきなり動き出す。
Gate List Read
Start
この画面は瞬間に過ぎてしまう。この間にDPlusサーバから世界中のインターネット(DPlus)接続可能なリピーターとリフレクターのリストを取り込んでいる。
Start
Wait
Link Command.
このメッセージが示しているリンクコマンドとは何か。RF側からDV無線機の[UR]に設定してこのSAAPに接続や切断を指示する命令のことである。
下に例を示すが、今回はあくまでWEBでの設定を行う。Link Command.
REF047CL:リフレクタ47のポートC接続、8文字目のみ U:切断
画面の解説をしながら設定を進める。まず、[MAC Adress]から[DPlus Gate/Ref.IP]までは、既定で設定されている。 既定の接続先を変更したいときは、ドロップダウンメニューから目的のリピータ・リフレクタを選択する。(次の図参照)
同時にモジュール(ポート)も選択する。現在リフレクタでA~Eであるが将来を見越して他のポートも設定できる。 また、「*」はすべてのポートをワッチしたいときに使用するが送信は個別のポートに接続しなおさねばならない。
[Auto. Link]にチェックすると起動したとき「Wait Link Command」をスキップして、上記で指定した接続先へ自動接続する。
[Auto. ReLink]は、不測の事態で接続が切れた場合、再接続するモードである。
[Jitter Buffer]は回線の問題で途切れがちになるとき数値を大きくする。とりあえずは規定値のままにしておく。
時刻自動調整の次の[Disable Link/Unlink from RF]は、先ほど参考に述べた無線機でのLink/Unlinkを拒否する。
[Voice Message OFF]は、接続したときの音声を出なくする。
既定になっている[Enable DHCP]を外すと、固定アドレスを設定できる。
設定が完了したら[Save Config]をクリックする。自動的にSAAPを再起動し、接続先にリンクすると同時にアナウンスが流れる。
改めて、WEBコントロール・パネルを開けなおすと、左図のように設定が反映された[Overview]が表示される。
一番下の行に日付とともに、「Gate List Read」時に読み込まれたリピータ/リフレクタリストのレコード数が表示されている。(577件)
ここでは、現状の表示と簡単な接続操作が可能である。
[Refresh]は画面を最新のものに更新する。
[Link]は文字通り接続であるが、接続先を選択していないので、規定の接続先へリンクする。
[Unlink]は現在の接続を切る。結果は次の図のように[Gate/Reflector]が「NO LINK」になる。したがって[Web Site]も「NONE」になり赤いリンクが消える。 さて、接続を切った画面では[Reload Gate/Ref List]と[Select Gate/Ref]ボタンが残っている。
[Reload Gate/Ref List]は、最新のリピータ/リフレクタのリストを再読み込みする。
その後に[Select Gate/Ref]ボタンを押して新しいゲートウェイを選択することが出来るようになる。
早速ボタンをクリックして、ゲートウェイを選択してみる。
[Repeater/Reflector]のドロップダウンメニューをクリックしてみると、図のようにずらっとゲートウェイが並んでいる。 最初はリフレクタが「REF001」から(現状で)「REF051」まで、リピータがアルファベット順にZL(ニュージーランド)まで、読み込んだ577件並んでいる。
その中でモジュールの選択が「A~G, N, P, *」と選択できるようになっている。「*」は前にも述べたとおり全モジュールワッチである。 選択が終わったら、二つの接続ボタンがある。ひとつは、[Link Immediately]、もう一つは[Link Immediately without Voice Msg.]。 初期設定でメッセージアナウンス無しにしていればどちらでも同じである。
[Cancel]で元の[Current Status]に戻る。
=MEMO=
この Gateway/Reflector Select の画面をWEBブラウザで表示させるショートカットを,スマートフォンのホームに置いておくと,SAAPをリモートコントロール出来る。 URLは直接Select画面を表示させるため[http://SAAPのIPアドレス/refselect.htm]を指定する。
LAN上でコントロールに成功すれば,SAAPのコンピュータにVPNサーバを設定して,スマートフォン側に標準装備のVPNクライアントでアクセスすれば, 無線機のコマンドが使用できないケース(ずっと話し中など)でも簡単にQSY出来ます。画面は最新のファームウェア00.41Vのもの。 上部アプリアイコン左端のキーがVPN接続のアイコンである。(2014/02/19 追記)
「Current Status」に戻ると、接続されているゲートウェイの名称 Repeater Detail for REF047 がリンクになっている。ここは「D-STARusers.org」のインフォメーションサイトである。 また、同様にDPLUS Dashboard のリンクは、現在の接続先への全接続ユーザー(Remote Users)と時系列での送信者(カーチャンクも含む)リストが見られる。
さらに、トップのモジュールAからEには世界中からG2+DPlusのリピータが接続でき(たまたまスナップショットには「DB0VOX B」ドイツのリピータが接続中)、 さながら山掛けのような状態になる。
ここでは、ほとんどのデータが規定のままでOKである。 [TX Polarity]のチェックは ノードアダプターV7(Satoshi Board)による自宅ノードの「ノードアダプタを調整する」の項の「4.初期設定プログラムで設定を変更」と同じ内容である。
[S/N Squelch Value]も必要に応じて適当な数字を入れ実験的に運用してみることもあるだろう。
=MEMO=
[Header Generation]にチェックし、[Header Gen. Type]はチェックなし(Last RF Header)にすると、アクセスエラーによる「ひとり言」が改善される。(ただし、ノイズを拾うリスクもある)
[Beacon Message]は英数字20文字の範囲で適宜入力する。
[Interval]は秒単位で数値を入力。5分間隔なら[300]となる。
[Save Beacon Info]をクリックして保存する。
前回の SAAP(Stand Alone Access Point)を作る=インストール編=のHex file「Node.hex」の代わりに「pic32mx.hex」をダウンロードして、 Microchip社の開発IDEを使用して「Boot LoaderとNode.hex V00.22」を焼き込む。
V00.22からこのアップデート用画面が追加された。SAAPβ版のレポートを書いている最中にSAAPβ2になってしまったのだ。 これで次回から、アップデートファイル「Node.hex」をダウンロードした後、このWEBコントロールパネルから自分自身のアップデートが可能になった。 リリース版までにはまだまだ変更が加えられると思うが、それまでは以上に解説した方法でアップデートしていけば良いと言うことになる。
また、変更はまとめてレポートしたいと思う。
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J E 3 H C Z@REF047 C
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